先日、2026年4月に開館した「奈良監獄ミュージアム」を訪れました。
建物は、明治時代を代表する建築家・山下啓次郎氏が設計した赤レンガ造りで、外観はまるで
イギリスの校舎を思わせるような美しい建物です。

しかし、一歩中へ足を踏み入れると、そこはやはり監獄でした。

見学の中で、特に印象に残ったのが独房の扉です。
重厚な木製の扉は約8~10cmもの厚みがあり、内側にはドアノブがありません。
たとえ施錠されていなくても、受刑者は内側から扉を開けることができない構造になっています。

私たちは普段、 「ドアにはドアノブがある」 「鍵が掛かっていなければ開く」 ということを
当たり前だと思っています。
しかし、奈良監獄では、その”当たり前”は通用しませんでした。
その時、「当たり前とは、その環境や目的によってつくられるものなのだ」と改めて感じました。
そして、その気づきは、私たちの仕事にも通じるものがあると感じました。
例えばブラインド工事では、取り付けて終わりではありません。
昇降がスムーズにできるか、羽根の角度は正常に動くか、落下しないよう確実に固定されているか
まで確認して初めて完了です。
タイルカーペットの敷設では用途に応じた接着剤を選定し、パネル工事では見切り材の色合わせや
納まりにも気を配ります。
「均等に取り付ける」という言葉一つをとっても、人によって思い描く基準は異なります。
だからこそ、図面やスケッチを用いて認識を合わせます。
また、現場で履き物をきちんと揃えることも、長年オフィスインテリアで受け継がれてきた
大切な文化の一つです。
施工経験のある社員や管理職にとって、これらのことは「当たり前のこと」でも、新入社員や
中途入社の方にとっては、初めて知ることばかりです。
社員が増え、さまざまな経験を持つ仲間が集まる今だからこそ、これまで自然と受け継がれてきた
「当たり前」を、言葉で伝えていくことの大切さを感じています。
だからこそ今、当社ではリーダー以上の社員が「伝える力」をさらに高めるための取り組みを
進めています。
「言わなくても分かる」ではなく
「分かるように伝える」
当たり前を言葉にして次の世代へ繋いでいくことが、より良い品質とお客様からの信頼に繋がると
信じています。
これからも一人ひとりが同じ基準を共有し、
「当たり前のことを当たり前にできる」会社であり続けたいと思います。
