「学校を改修工事したいが、どこに依頼すればよいかわからない」
「費用はどのくらいかかるのか」
「男子校・女子高の共学化に伴うトイレや更衣室などの改修はどうすればよいのか」
と悩む担当者の方は少なくありません。
学校の改修工事には安全性の確保から教育環境の向上まで多くのメリットがあります。
また、学校施設環境改善交付金などの補助金を活用することでコストを削減することができます。
本記事では、学校改修工事の目的や費用の相場、補助金の活用方法、弊社の事例まで解説します。
ぜひ参考にしてください。
スタッフ全員が現場経験者。
細かいご要望にも対応できます。
学校の改修工事とは

学校の改修工事とは、既存の校舎や体育館、設備などを修繕・更新し、安全性や機能性を高めるための工事のことを指します。
日本では高度経済成長期に建設された学校施設が多く、築数十年を超えた建物では老朽化が深刻なケースも珍しくありません。
また、耐震性能の不足や防水機能の低下、設備の経年劣化など、放置すれば児童生徒の安全にも影響する問題も発生しています。
以下では、改修工事の目的と改修工事と改築工事の違いを整理します。
学校を改修工事する目的
改修工事を行う目的は、大きく分けると以下の4つです。
- 安全性の確保
- 教育環境の整備
- 省エネ・コスト削減
- 施設の長寿命化
旧耐震基準で建てられた校舎の補強や、ICT環境の整備、トイレのバリアフリー化など、学校が抱える課題に応じた多様な工事が行われています。
また、学校は地域住民の避難所としての役割も担うため、防災機能を高めるという観点からも改修の重要性は高まっています。
学校の改修工事と改築工事の違い
学校の改修工事と改築工事は、しばしば混同されますが、その内容や規模は異なります。
以下の表で主な違いを整理します。
| 項目 | 改修工事 | 改築工事 |
| 定義 | 既存の建物を修繕・更新して機能を維持・向上させる工事 | 既存の建物を解体・撤去し、新たに建て直す工事 |
| 対象 | 外壁、内装、設備、耐震補強など | 校舎全体、体育館全体など |
| 費用の目安 | 数百万円〜数億円(工事内容による) | 数億円〜数十億円規模 |
| 工期 | 比較的短期間(数ヶ月〜1年程度) | 長期間(数年規模になることも) |
| 学校運営への影響 | 部分的な利用制限で対応が可能な場合が多い | 全面移転・仮校舎が必要になるケースが多い |
| 主な活用場面 | 老朽化部分の補修、機能の向上、耐震補強など | 建物が著しく老朽化・危険な場合、大規模な増床が必要な場合など |
改修工事は、既存の建物を活かしながら必要な部分を修繕・強化する工事です。
このため、全面的な建て替えとなる改築工事と比べて、コストや工期、学校運営への影響を抑えられる点が大きなメリットです。
老朽化の程度や予算の規模、改善したい課題に応じて、改修・改築のどちらが適しているかを慎重に検討することが重要です。
学校の改修工事が必要とされる具体的な理由とメリット

学校の改修工事がもたらすメリットは、安全面・教育面・環境面・経済面と多岐にわたります。
ここでは、4つの切り口から具体的なメリットを解説します。
児童生徒の安全確保と施設の老朽化対策
学校の改修工事において優先度が高い項目が、安全面への対応です。
1981年以前の旧耐震基準で建てられた校舎は、現行基準を満たしていないケースが多く、大地震の際に倒壊・損傷するリスクがあります。
このため、改修工事によって鉄骨ブレースの追加や耐震壁の設置、天井落下の防止対策などを施すことで、建物の耐震性能を現行基準に引き上げることができます。
また、アスベストを含む建材の除去や、老朽化した配管・電気設備の更新なども安全上における重要な課題です。
これらの課題を放置すれば健康被害や事故につながる可能性があるため、早期の対応が求められます。
さらに、学校は災害時に地域住民が避難する拠点にもなることから、施設の安全性を高めることは学校内の安全確保にとどまらず、地域全体の防災力の向上にも直結します。
快適な学習環境の整備と教育の質の向上
GIGAスクール構想に代表されるように、近年の学校教育ではICT化が急速に進んでいます。
しかし、老朽化した校舎ではネットワークの容量や電源の容量が不足しており、タブレット端末や電子黒板を十分に活用できないケースが少なくありません。
改修工事によってLAN配線やWi-Fiアクセスポイントを整備し、ICTインフラを強化することで、インタラクティブな授業やオンライン学習など、現代の教育ニーズに対応した環境を実現することができます。
さらに、教室や廊下の内装を刷新したり、アクティブラーニングに対応した柔軟なレイアウトへ変更したりすることで、生徒の学習意欲や集中力を高める効果も期待できます。
また、トイレの洋式化や清潔感のある衛生設備への更新も、生徒・教職員における満足度の向上と衛生環境の改善に貢献します。
省エネ・環境配慮型施設への転換による効果
学校は多くの人が日常的に利用する施設であるため、空調や照明にかかる光熱費が大きな負担となっています。
改修工事において空調設備を省エネ型に更新したり、照明をLED化したりすることで、ランニングコストを削減することが可能です。
また、センサー式の照明や自動制御システムの導入によって、使用していない空間の電力消費を抑えることもできます。
加えて、太陽光発電設備の設置や断熱性能の向上など、環境配慮型の設備を取り入れることで、CO2排出量の削減にも貢献できます。
こうした取り組みは、児童生徒に対する環境教育の観点からも有意義であり、学校全体のサステナビリティ向上にもつながります。
施設の長寿命化と将来的な管理コストの削減
計画的な改修工事を実施することで、校舎の寿命を延ばすことができます。
また、老朽化が進んだ段階でまとめて改修するよりも、定期的に適切なメンテナンスや部分改修を行うほうが、長期的に見た場合の維持管理コストを抑えられます。
文部科学省も「長寿命化改良事業」として、学校施設の計画的な長寿命化を推進しており、補助金の対象事業にも位置づけられています。
さらに、老朽化した設備や外壁・屋根などを適切なタイミングで更新することは、突発的な修繕費の発生を防ぎ、学校運営の財政的な安定にもつながります。
学校の改修工事にかかる費用と内訳

学校改修工事の費用は、工事の規模や内容によって変わります。
費用を検討する際は、工種別の相場と内訳をあらかじめ把握したうえで、適正な見積もりを取ることが重要です。
なお、費用は地域の物価水準や施工時期によっても変動するため、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
学校改修工事にかかる費用
学校の改修工事にかかる費用は、校舎の規模や築年数、改修の内容・範囲によって異なります。
以下は、工事規模の目安です。
| 改修の規模 | 主な工事内容の例 | 費用の目安 |
| 小規模(部分改修) | トイレの改修、内装の張り替え、照明のLED化など | 数百万円〜数千万円程度 |
| 中規模(設備更新+耐震補強) | 空調設備の更新、外壁改修、部分的な耐震補強など | 数千万円〜1億円程度 |
| 大規模(複合工事・全面改修) | 耐震補強+省エネ化+設備全面更新の複合工事など | 数億円規模 |
例えば、トイレ1台の洋式化であれば10〜50万円程度で対応できるケースもあります。
しかし、耐震補強や省エネ設備の更新を複合的に実施する大規模改修では、数億円規模になることも珍しくありません。
なお、複数の工事をまとめて実施することで、足場の共有や工期の効率化により、個別に発注するよりもコストを抑えられる場合があります。
工事費用の具体的な内訳
学校の改修工事にかかる費用は、主に以下の項目によって構成されます。
| 費用項目 | 内容 |
| 工事本体費 | 耐震補強・外壁改修・内装工事・設備の更新など、実際の施工にかかる費用 |
| 設計・監理費 | 設計事務所や建築士が図面の作成や施工管理を行うための費用。一般的に工事費の10〜15%程度が目安 |
| 現場管理費・諸経費 | 現場の管理や安全対策、廃材処理などに伴う諸費用 |
| 仮設工事費 | 工期が長い場合や在校中の工事では、仮囲いの設置、仮設電気・水道の配備、仮教室のレンタル費用なども発生 |
| 予備費 | 工事中に予想外の損傷が発見された場合に備え、総工事費の5〜10%程度を見込むことを推奨 |
各項目にかかる費用は工事の規模や発注方法によって変動しますが、あらかじめ全体像を把握しておくことで、予算超過のリスクを低減することができます。
見積もりを依頼する際は、内訳の透明性が高い業者を選ぶことが重要です。
費用を最適化するための計画立案と工夫
改修工事の費用を抑えるためには、中長期的な視点での計画立案が重要です。
まず、校舎全体の老朽化の状況や設備の劣化度を専門家による診断で把握し、優先順位をつけて計画的に改修を進めましょう。
単発で工事を発注するよりも、複数の工事をまとめて発注することで、足場や仮設工事などの共通コストを削減することが可能です。
また、夏休みや冬休みなどの長期休暇中に集中して工事を行うことで、授業への影響を最小限に抑えつつ、工期の効率化も図ることができます。
複数の施工会社から相見積もりを取り、適正価格を把握したうえで発注先を選定することも、コスト最適化の基本的な手段です。
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学校施設環境改善交付金を活用した改修工事

公立学校の場合、設置者である自治体が、施設整備計画にもとづき学校施設環境改善交付金を活用できる可能性があります。
ここでは、制度の概要から申請の流れまで、実務に即して解説します。
なお、条件などは変更される場合があるため、最新情報は公式サイトを確認するようにしましょう。
学校施設環境改善交付金の制度概要と目的
学校施設環境改善交付金とは、公立学校の施設整備を促進するために、国(文部科学省)が地方公共団体へ交付する補助金制度です。
平成18年の法改正により「安全・安心な学校づくり交付金」として創設され、平成23年度からは現在の名称に改められました。
この制度は、耐震補強や大規模改造、危険な建物の改築など、学校施設の環境の改善に必要な工事の経費の一部を国が支援するものです。
地方公共団体が作成した施設整備計画にもとづいて実施される事業が対象となり、事業費の一定割合が交付金として支給されます。
なお、公立の義務教育諸学校(小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校・幼稚園など)が対象施設となっています。
学校施設環境改善交付金の対象となる具体的な改修内容
交付金の対象事業は交付要綱の別表に定められており、主な内容は以下の通りです。
| 事業区分 | 主な対象内容 |
| 危険建物の改築 | 老朽化・危険な状態にある建物の建て替え |
| 不適格建物の改築 | 現行基準を満たさない建物の建て替え |
| 地震防災対策事業 | 耐震補強工事(構造補強・天井落下防止など) |
| 長寿命化改良事業 | 外壁・屋根・設備の更新など、施設の長寿命化を目的とした改修 |
| 大規模改造 | トイレの改修・バリアフリー化・省エネ化など |
| 防災機能強化事業 | 避難所としての機能強化(空調・発電設備など) |
| 太陽光発電等導入事業 | 再生可能エネルギー設備の設置 |
| 学校給食施設整備事業 | 給食室・配膳室の整備・改修 |
ただし、他の法律や予算制度にもとづいて国の負担または補助を受けて実施するものは、この交付金の対象外です。
このため、申請前に担当部署へ確認することが重要です。
学校施設環境改善交付要綱の重要なポイント
交付要綱において特に重要なポイントは、交付金額の算定方法です。
交付金の額は、「配分基礎額」に算定割合を乗じた額と、実際の工事費に算定割合を乗じた額とを比較して、少ない方の額を基礎として算定されます。
つまり、実際の工事費が配分基礎額を超えた場合でも、交付金は配分基礎額の範囲内に収まるため、過大な計画は避ける必要があります。
また、交付金を受けるためには、施設整備基本方針および施設整備基本計画に即した施設整備計画を作成・提出することが前提です。
計画内容が精査されていない状態での申請は採択の見込みが下がるため、事業内容や面積の根拠を丁寧に整理することが求められます。
なお、計画期間の終了後には、目標の達成状況について評価を行い、文部科学大臣へ報告・公表する義務も生じます。
学校施設環境改善交付金の申請の流れ

交付金を受けるまでの手続きは、概ね以下の流れで進みます。
- 施設整備計画の作成・提出
地方公共団体が、施設整備基本方針・基本計画にもとづいて施設整備計画を作成します。市町村の場合は、都道府県教育委員会を経由して文部科学大臣へ提出します。
- 建築計画の提出
対象事業の建築計画を文部科学省に提出し、国の審査を経て採択・交付決定を受けます。この段階で事業内容や面積の精査が必要です。
- 交付申請書の提出
採択・交付決定を受けた地方公共団体が「学校施設環境改善交付金交付申請書」を文部科学大臣に提出します。
- 審査・交付決定
文部科学大臣が申請書にもとづき審査を行い、交付決定が通知されます。
- 事業の実施
交付決定を受けたのち、実際の改修工事を実施します。なお、経費は補助対象期間内に支払いを完了させる必要があります。
- 実績報告書の提出
事業が完了したとき、または国の会計年度が終了したときに「実績報告書」を文部科学大臣(市町村の場合は都道府県教育委員会)へ提出します。内容に不備があると交付金の支払いが遅延したり、減額されたりする場合があります。
- 交付額の確定
実績報告書にもとづいて審査が行われ、最終的な交付額が確定します。
【弊社事例】学校の改修工事の事例をご紹介
ここでは、学校の改修工事を行った3つの事例をご紹介します。
いずれも工事の目的・内容・効果が明確であり、補助金の活用も含めた計画的な取り組みが成功のポイントとなっています。
【事例1】居心地のよいラウンジスペースへの内装リニューアル
最初は、老朽化したラウンジスペースを、明るく開放的な空間へと全面リニューアルした事例です。

天然木のチェアとフローリングを採用し、温かみのある内装に刷新しました。
壁面にはストーン調のタイルを取り入れ、落ち着いた雰囲気を演出しています。
また、左手にはソファ席を設けてくつろぎのコーナーを確保しつつ、テーブル席エリアとゾーニングを分けることで、用途に応じた使い分けができるレイアウトを実現しました。
ダウンライトとペンダントライトを組み合わせた照明計画により、空間全体に明るさと奥行きが生まれ、生徒・教職員がリラックスできる居場所として生まれ変わっています。
【事例2】自然光あふれるガラス張りテラスと木質空間への大規模リニューアル
二つ目は、既存の建物躯体をあえて残しながら、ガラス張りのテラスと木質内装を組み合わせた大規模リニューアルの事例です。

ウッドデッキの床と赤・黄のカラフルなチェアを取り入れ、屋外の緑と一体感のある明るい空間を実現しました。
エントランス部分には曲線を描く木製の壁を設け、コンクリートの柱や梁をあえて露出させることで、素材のコントラストが印象的なデザインに仕上がっています。

既存構造を活かした改修により、学校の歴史を感じさせながらも、生徒が自然と集まりたくなる居場所へと生まれ変わりました。
【事例3】老朽化した設備を一新した理科室の全面改修
最後は、老朽化が進んでいた理科室を、安全性と機能性を高めた空間へと全面改修した事例です。

実験台はシンク・水栓・ガス栓を備えた専用仕様に刷新し、天板には耐薬品性に優れた素材を採用しました。
壁面には収納力の高いガラス扉付きキャビネットを設置し、実験器具や教材をすっきりと整理できる環境を整えています。
また、 照明はLED蛍光灯に更新し、手元の視認性が高い明るい室内を実現しました。
白を基調とした清潔感のある内装と、オレンジのスツールが映えるシンプルなデザインにより、生徒が実験に集中しやすい環境へと生まれ変わっています。
まとめ

学校の改修工事は、老朽化した施設を修繕するだけでなく、安全性の確保・教育の質の向上・省エネ化・長寿命化といった多角的なメリットをもたらす重要な取り組みです。
学校施設環境改善交付金をはじめとした補助制度を活用することで、費用負担を軽減することができます。
しかし、交付金の申請には一定の手順があり、計画段階からの準備が重要です。
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補助金の活用と合わせてご利用いただくことで、コストを抑えながら質の高い教育環境を手に入れることが可能です。ぜひ一度お気軽にご相談ください。
スタッフ全員が現場経験者。
細かいご要望にも対応できます。