今月13日大盛況のうちに閉幕した大阪関西万博。
5月下旬に、会社のご厚意でいただいたチケットで初めて万博へ行きました。
想像以上に見ごたえがあり、建築・空間デザインの観点でも学びが多く、どうしてももう一度見たくなって、閉幕直前に再訪してきました。
特に印象的だったのが「大屋根リング」。

あの圧倒的なスケールと木の温もりの融合には、ただただ感動しました。
“どうやってこの巨大な木造構造を組み上げたのだろう?”と、職業柄つい構造の方に目が行ってしまいます。
調べてみると、この大屋根は3つの工区に分かれ、北東工区(大林組)・南東工区(清水建設)・西工区(竹中工務店)と
それぞれ異なる建設会社の共同企業体(JV)が担当していたとのこと。
同じ設計図をもとにしていても、担当する企業によって継ぎ手や接合部の工法が少しずつ異なるそうです。

大林組

清水建設

竹中工務店
たとえば、ある工区では伝統的な込み栓を活かした木組みを採用していたり、別の工区では金物ジョイントでの高精度なプレカット工法を
取り入れていたりと、それぞれの得意分野や施工哲学が表れていて非常に興味深いものでした。
現場を見て歩くうちに、「同じ構造物でも、会社ごとの技術力・発想の違いが形に現れる」という建設業ならではの奥深さを改めて感じました。
ちなみに、この大屋根に使われた木材は約27,000㎥(25mプール約70杯分)。
そのうち国産材が約70%、外国産材が約30%とのことで、国産木材の活用にも大きく貢献しています。
これだけの規模の木造建築が実現したのは、日本の木工技術・構造設計・プレカット精度が世界レベルに達している証拠ですね。
他のパビリオンや施設の設計・デザインも一つひとつ個性があり、興味が尽きません。
「通期パスを買って、もっと通えばよかったな…」と少し後悔しています(笑)。
万博跡地の再開発や新施設も非常に楽しみです。
これからも建築の現場を通して、日本の技術力とデザインの可能性を肌で感じていきたいと思います。
