今日は、私の好きな建築をちょこっとご紹介します。
学生の頃から、気になる建築にはちょこちょこと足を運んでいます。
建築とは言っても、大きな建物よりは住宅くらいのスケール感が私には心地よく、色々と行ってみた結果、こじんまりとした美術館がとても好きになりました。
お気に入り美術館はいくつかあるのですが、そのひとつが豊島美術館です。
http://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
瀬戸内海を望む豊島唐櫃(からと)の小高い丘に建設されるアーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による「豊島美術館」。
休耕田となっていた棚田を地元住民とともに再生させ、その広大な敷地の一角に、水滴のような形をした建物が据えられました。
広さ40×60m、最高高さ4.5mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間です。
内部空間では、一日を通して「泉」が誕生します。その風景は、季節の移り変わりや時間の流れとともに、無限の表情を伝えます。(HPより抜粋)
まずは、美術館までのアプローチ。
海の見渡せる丘から、木々の生い茂る小道を歩いて美術館へと向かいます。
この日は朝からあいにくの雨だったのですが、突然晴れ間が出てきたり、色々な表情を見ることができました。
「雨の日は緑の色が濃くなって、晴れの日とは違った趣きを感じられるので、それもまた良いものだよ。」と大学時代に建築の先生に聞いて以来、雨の日だからこそ見える景色がとても貴重だなと思えるようになりました。
長いアプローチを進んで、館内へ向かいます。
建物は、その存在を極力感じさせないようなたたずまいです。
美術館内はもちろん写真を撮ることができないので、こちらは休憩スペースなのですが、美術館自体もこのような雰囲気です。
美術館でありながら、展示物は一切ありません。
天井の大きな開口から入ってくる風や温度を体感し、床から湧き上がってくる水滴を見つめて、ただ静かにここにいる時間を感じる場所です。
一般的な美術館とは趣向が違いますが、ただただ静かな時間が流れている非日常感がとても心地よく、また機会を見つけてぜひ行きたいなと思っています。
そして、島をお散歩していると、こんな景色にもたくさん出会えました。
美術館へ行くには、まず島へはフェリーで移動します。そしてフェリーの乗り場から美術館へはバス。長い道のりです。
その時期はフェリーもバスも本数が少なく苦戦しながら旅行計画を立てたのですが、このロケーションだからこそ、生まれた空間なんだと感じられます。
あの時、本当に行って良かったなと、今改めて感じるほど素敵な場所です!