前回、ご紹介した小江戸、川越。
こちらに今年誕生したのが、スターバックス 川越鐘つき通り店です。
実は、こちらも出張の目的のひとつ。とある案件で、「この店舗も参考になるのでは」、というお話を伺っていたので、楽しみにしていたのです!
雑誌「商店建築」でも紹介されていたので混雑しているのかなと思っていたのですが、朝一番の時間帯はまだお客さんもちらほら。ゆったりと、とても心地の良い時間を過ごすことができました。
外観だけを見ていると、こじんまりとした印象で、存在を主張し過ぎることなくスッと街並みになじんでいます。ちなみに、この木材は埼玉県産の杉材を利用しているそうです。
開放されたファサードからは、半外部空間の席が並んでいるのが見えます。
こちらは、「街を歩く人が楽しいよう、ファサードは開け放ち、かつ庇下の空間を大切にする」という「町づくり規範」のひとつを取り入れたものだそうです。椅子の背には、川越唐桟(かわごえとうざん)という川越で愛されてきた織物が使われていて、川越ならではのこだわりが感じられます。
さて、一歩中へ入ると、その広々とした開放感に驚きます。
高い天井は、屋根を少しずらすことで生まれた隙間から太陽光が入ってきます。
また、中央部には屋根を少しずらしたスペースに中庭が設けられていて、さらに最奥にも庭が配置されています。中庭から自然光が取り込まれることで、店内に柔らかい光が広がっていました。
そして、カウンターや壁面に使われている黒漆喰は、川越の街並みを形成している蔵をイメージしているそうです。
それぞれが、どれも主張し過ぎることなく、さりげなく「和」や「川越」の要素を取り入れられていて、とても心地良い空間でした。
スターバックスの店舗は全国に展開されていますが、よくよく見てみると、いろんなこだわりが詰め込まれているのですね。これから他の店舗でも目を凝らして見てみると、新たな発見がたくさんありそうです!
前へ